
文系のオタク就活生の就職にオススメしたい業界3選をご紹介
趣味嗜好の追求に実直で、好きなもののためなら時間を掛ける事や出費も厭わないオタク。オフの日は一日中アニメ鑑賞やゲームを楽しんだり、県外まで足を運びアイドルやアーティストのコンサートに汗を流すなど、“人生を豊かにする”という意味ではオタクは見習うべき存在ですね。ただ、学生生活をオタク三昧で満喫してきた場合、不安になるのが就活でのアピール探し。オタク就活生は過去のオタク生活を選考で活かす事が出来るのでしょうか?
青春の日々に華を咲かす輝かしき大学生活。その在籍期間は一般の大学ならば約4年(就活で内数ヶ月~1年は削られる)ほどあるわけですが、多くの学生は新たな出会いに一喜一憂して、部活動やサークル活動に汗を流し、そして成人を迎えてから“社会人の自覚”に芽生えていく事でしょう。
就活が本格化して内定を受諾、そして卒業後は“やるべき事”だった学業が仕事へと取って代わり、給与や社会的信用という報酬を得るために、誰もが長い期間企業に勤め貢献するようになります。
社会人は学生時代とは違い、のしかかる責任や仕事の幅が広がっていくので、プライベートと仕事の両立が難しくなって、自分の趣味に充てる時間的余裕も少なくなっていきます。
もちろん“器用”な人は入社後すぐに仕事を覚えて社内の信頼も獲得、与えられた仕事は時間内に終わらせて休日は趣味に没頭する事も可能でしょう。
ただ、全ての新卒がそう上手く立ち振る舞えるわけではありません。最初の内は慣れない環境で年上の上司に教育指導され、時に怒られ時に励まされで、今までのような時間の使い方や過ごし方が困難になるはずです。
趣味と仕事の均衡を保てるのは概ね、入社後3年目以降の“成熟した”社会人であり、新卒は仕事と対人関係のプレッシャーで辟易し、自分が何を好きだったのかを見失いがち。
…こうして話してみると、華やかな新卒デビューを夢見る就活生を脅し、理想を叩き潰しているように感じるかもしれませんね。
しかし、ここで強く読者の皆さんに訴えかけたい事は、「社会人になったら出来なくなる・やりづらくなる事ばかりだからこそ、残された学生生活を大いに楽しめ!」というメッセージです。
就活生は時間を作るのも簡単ではないでしょうが、週に2日くらいは自分のための休日を設けて、息抜きのつもりでオタ活に専念しても良いでしょう。
今の日本経済を支えるサラリーマン達も、気丈に振舞って自身の部下の教育や抱える業務を回していますが、SNSを中心とした“口コミ”では、当時に懐古して「もっとあの頃を充実させとけば良かったわ…」と悔やむ声も多く見受けられます。
学生という立場では今の自由度や可能性の大きさに気付きにくいかもしれませんが、“やるべき事”だけでなく“やりたい事・興味のある事”に夢中になれる時期というのは大変貴重です。
部活・サークルだけでなく、アイドルの追っかけやアニメ関連イベントの参加、ローカル鉄道巡りに車弄り・ドライブといったオタ活だろうと、仕事が始まれば満足に堪能しづらくなるので学生の内に大いに楽しんでくださいね。後々で話していきますけど、そういった数々の経験は選考でも武器になり得ますから。
よく就職支援メディアの元に相談しに訪れるオタク就活生は、「自分って他の人みたいに注目されるような取り組みをしてこなかった…」「部活とかアルバイトでもこれといった実績を持っていない」など、自身の学生生活を卑下して語る事が多いです。
しかし、勘違いする人が後を絶たないのでハッキリ言いますが、別に選考で話すアピールポイントは部活やアルバイト、ボランティア活動、海外留学に限った話ではありませんよ。
企業の面接を請け負う人事担当者や一般社員、舵取りを行う経営陣は、就活生の自慢話を聞きたいわけでは無いですし、それが仕事に結びつかなければ「ふーん、すごいね」程度の感想で終わるだけです。
就活の成功例として上記の要素が挙がりやすいだけであって、普通にオタク趣味や経験を掘り下げて自己PRに繋ぎ、見事内定を獲得したという人も大勢います。
少し前にTwitterで軽くバズッた話があるのですが、とあるオタク就活生(以下:A氏)が面接で趣味について聞かれた際に、大人気声優でアーティストでもある『水樹奈々』の魅力を語り、A氏は2社ほど内定を獲得。
ココだけ拾うと「どうせ面接官もオタクってオチやろ」と思うかもしれませんね。しかし、件の詳細を探ると、どうやら相手方はオタクでも無く水樹奈々についても知らないとの事。
ではなぜ内定を得る事に繋がったのか、それは「“知らない人相手でも好きなものの魅力を伝える能力”に優れていたからでは」とA氏は振り返りました。
自分の好きな人物やコンテンツに関して空気を読まずに知識を羅列するだけでは、相手の理解を得られず置いてけぼりにするだけ。そこで“水樹奈々とは何者か”“なぜ好きになったのか”“好きになる前と今では自分はどう違うのか”“その気持ちや姿勢が仕事でどう活かされるのか”を細分化してプレゼンする事で好印象に結びついたのではないかと分析出来ます。
これは、好きな事・興味のある事に対して深く追求してきた経験のある“オタクだからこそ”成せる技ではないでしょうか。
“オタク”と聞くと特性として「情報収集に優れている」「一つの事にこだわれて、集中力も高い」の2点がよく彷彿されますが、一般学生とは違うオタク就活生のアドバンテージとして、前述のような「興味の無い人にも好きなものを紹介・解説出来るプレゼン力」が語るに欠かせません。
それも、“ただ話したい”“自分を凄いと思わせたい”といった自分本位ではなく、相手の知的好奇心を引き出して魅力的に感じさせる。
単純に熱中したものを語るだけでは何のPRにもなりませんが、このように相手を巻き込み“布教”出来る能力も十分、学生時代の経験から培われたアピールポイントに考えられるはずです。
特に、営業や販売といったお客さんと向かい合う仕事だと、初めの内はお客さんも自社の商品に興味が薄く、「買わないけど一応聞いてやるか」程度に思っています。しかし、商品の魅力を話すだけに留まらず、相手の立場や心情に乗る形で巻き込めば「そこまで言うなら試してみよう」という気持ちにさせる事が可能になるでしょう。
言うまでもなく、何かを相手に進めたり紹介するにはまず自分がソレを愛していなければ始まりません。推しをとことん愛して理解を深める事で、何も知らない相手に“モノを知らない事への共感”→“そんな人にもオススメ!”とプレゼン出来るわけです。
話だけ聞くとなるとなかなかイメージしにくいかと思いますが、この例はテレビで流される通販番組が光景としてイメージしやすいかと思います。
たとえ部活などの“一般的な活動”をしてこなかったとしても、上記の例のような学生時代に熱中した事があれば、その経験はオタク寄りの内容だろうと関係無く就活でも役立つ事でしょう。
長々と解説をしてしまいましたが、企業に気に入られようと変に飾って「オタクじゃない」と拒否反応を示したり、スポーツや課外活動に勤しんでいなかったから「自分は就活で語る要素が無いから不利」と考える人が未だに多いです。ですがたとえオタ活経験でも何でも、自分の人柄や価値観を垣間見せたり、仕事に結びつくような社会人基礎力をその談で含ませる事が出来れば、人材としての価値を見出してくれる企業は必ず現れますよ。