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コラム

ゲームプランナー志望のオタク就活生は就職前に何を知るべきか

ゲームの魅力や発売後の売れ行きを左右するゲームプランナー。シナリオライターのようにゲーム開発の根幹部分から、プログラマーやデザイナーなどの役割を適材適所で割り振ったりするなど、開発に携わる者達の中心に立って業務を行う仕事になります。
他のゲームクリエイターのように四六時中ゲームと向き合うことになるため、オタク就活生からの注目を浴びやすい職種といえますが、就職先の一つとして検討するならば、職種だけでなく労働条件や環境などにまつわる知識は徹底的に深めておくべきです。





就職前に知っておきたいことは必ずある!





ある特定の仕事に対して憧れを持ち、将来的にその仕事で活躍していきたいと考えていても、就活では職種に関する情報だけに限らず、新卒採用を行う企業についてや、働くにあたって生まれるさまざまな条件を理解しておくべきです。

「給与」「福利厚生」「残業の有無・その時間」「各職種の業務内容」「休日休暇」「社風」「将来性」など、就活を進めていくうえで肝心となる要素はきっちりと情報収集しておきましょう。

もしも、「ゲーム開発に携われるならどこでもいい」と重く捉えず情報収集してしまうと、選考でアピール不足に陥る、あるいは就職後に職種や勤め先の労働環境と相容れず、大きなミスマッチを引き起こしてしまう場合もあります。

特にゲームクリエイター職は一般的な仕事とは違って待遇が不安定気味、業界で必要となるスキルに人物像の移り変わりが激しいという特徴を持っているので、効率良く仕事選びをするためや働き方にネガティブな気持ちを抱かないためにも、就職前の研究分析は欠かさないようにしましょうね。

では上記で挙げた、就職する前に知っておくべき情報について以下で解説していきます。




給与


まず就職を希望する学生の多くが気にする給与について。新卒の初任給額は平均で高卒だと16万前後、大卒で20万前後とされています。もちろん勤める企業の規模や職種によって低くなったり高くなったりと多少の変動はありますが、働き始めたばかりではこのくらいの金額が一般的。

また多くの場合、仕事で評価されれば年に4回程度の頻度で昇給が検討され、入社から3年は経過すれば満足に生活できるくらいの給与を見込めるでしょう。

そして各企業では主任、課長など役職が設けられますが、業務全体や部下の教育指導など責任ある立場に落ち着けばその分、給与にも大きく反映されるはずです。


福利厚生


社員が不自由を感じることなく働けるために、企業では社員向けの福利厚生サービスを備えています。

「非金銭報酬」「法定外福利」とも呼ばれますが、主に交通費の一部・全額支給、社宅提供や賃貸費用の一部負担、労災保険、社内食堂の割り引きなどが含まれますが、それ以外でもフィットネスジムやマッサージ、育児休暇や子育て拠出金など多種多様なサービスで社員をサポートしてくれるのです。

特に近年はワークライフバランスを意識して労働環境の改善に務めるよう、多くの企業が従来の働き方を是正する動きが目立ってきており、就活ではどういう福利厚生を擁する企業が自分に適しているかも、長期的な労働のために考えていくべきでしょう。


時間外労働


俗に言う残業ですね。ここ数年では大手広告代理店での度重なる時間外労働によって若手社員が自殺するといった問題を皮切りに、中小企業でも外国人労働者や新卒の残業過多が頻繁に取り上げられているため、企業毎の残業具合を確かめるのは自己防衛の観点でも必須。

ただ、給与が低めの職種ならば残業が無ければ生活がままならない、志望先で理想的なキャリアパスを歩むためにはある程度の残業も避けられないなど、企業あるいは業界の特色によって残業の見方は大きく変わります。

ただ、何の給与反映も無いサービス残業や月80時間以上にも及ぶ超過時間は、働き手のモチベーションを欠如させるだけでなく、労働意欲が無くなって“うつ”を発症したり過労死させる要因にしかなりません。「好きな企業だから」と憧れを持って就活するのは構いませんが、継続的に働くことで自分の身体を取り返しがつかないほど壊すような条件ならば、諦めることも大切ですよ。


業務内容


今回取り上げているゲームプランナーもそうですが、同一の職種だからといってどんな企業でも同じ働き方をするとは限りません。コンシューマーやソーシャルゲームでは市場の変遷はもちろんのこと、プランナーに求められる考え方や業務の幅も大いに異なるでしょう。

そうなれば一日の労働時間やキャリアステップにも変化が生じるため、就活する際は志望企業がどういう働き方をしているのかを一つひとつ見比べていくべきです。


休日・休暇


正社員といえど、よほどのブラック企業でない限りは最低一日は固定の休日を設けているものです。

ただそれが「週休二日制」か「完全週休二日制」なのかは企業によって違いがあるので、無理なく働くには休日についても情報収集しておきましょう。

ただ、平日が休暇なのが多い、繁忙期には休日を返上するなど、企業のみならず業界の仕組みや立場でも休日の取りやすさが変わりますよ。

そして、正社員だけでなくアルバイトにも適用される「有給休暇」にも目を向けるべきです。

有給は入社から約半年経過したら使用を許されるものであり、休日を満喫しつつその間の給与も発生するという大変素晴らしい制度となります。

といっても、多くの社会人は「職場の雰囲気で有給を取りづらい」と悩みの声を上げるのが印象的で、その消化率は決して高いとは言えません。

自分が勤めることになる企業ではどの程度の有給日数を設けられているのか、また消化率はどの程度なのかも忘れず考えていきましょう。


社風


やはり、長い間働くことになるのならば、気持ち的にも馴染みやすい環境に身を置くことが理想ですよね。自分の共通の趣味嗜好を持つ同好の士が多かったり、先輩後輩上司部下の垣根を越えて良好な関係を築いていけるアットホームな職場など、就活をする場合はこういった社風の違いにも視野を向けておきましょう。

もしも「大手だから」「自分のスキルを活かしやすいから」とだけ考えて社風を甘く見ていると、後々で体育会系な環境が苦痛だったり、職場内の関わりが薄く事務的機械的な雰囲気で辟易するなど、労働環境全体に及ぶ不満を抱くことに。


将来性


大手バンクの大量雇用削減や国内自動車メーカーの不祥事など、どんな企業でも経営の躓(つまづ)きや綻びは生じるものです。そうなれば「高給だ安泰だ」と囁かれていた界隈でも、倒産や事業撤退の可能性も他人事ではなくなり、せっかく苦労して就活を進めて自分が求めていた環境でキャリアを積めるようになっても、業界や企業のトラブルで軌道修正をしなければならなくなる場合もあります。
十数年も事務職に勤めていた人が、RPAの導入によって業務効率が底上げされて必要とされなくなるなど、職種によっては技術の発展・普及も自身の将来に影を落とすことになるでしょう。


ゲームプランナー就職前に知っておくべきこと





前述の解説はあくまで社会人になる前に知っておくべきことの例になりますが、ここではゲームプランナーにフォーカスを当てた情報を提示していきましょう。



ゲームプランナーの仕事について


ゲームプランナーは名前通り、ゲームにまつわる企画業務を受け持つ仕事であり、主な就職先はプランニングからマーケティング全体を担うパブリッシャー企業。もしくは開発工程の1から10までを任されるデベロッパー企業になります。

ただ、ゲームのプランニングは自分1人で行うものではなく、どんな企業でも複数人のプランナーが協力し、なおかつゲームプロデューサーやディレクターなどとも連携して、新規ゲームの企画や既存タイトルの新要素実装を考えていくことになるでしょう。

企業の規模がそこまで大きくないと個人個人の業務裁量権も大きくなりがちなので、場合によってはゲームプランナー1人+αで企画を進める状況も考えられます。



しかし、ゲームプランナーはただゲームの企画を考えればいいわけではありません。

その企画内容も自分が面白いと思うコンセプトが企業の上層部にも通用するとは限らず、またコンシューマーなら膨大な内容量とDLCの実装で、ソーシャルゲームならば基本無料という性質上、課金要素でという形でマネタイズ(収益化)も同様に考えるわけです。

その後は、開発を進めていくために企業の経営者が納得するような企画書の作成とプレゼン。制作プラン(人員配置やスケジューリング)を組んで現場に開発を促すための仕様書の作成、そして細かな実装依頼やデバックテストというように、開発に関するマルチな役割を担うことになるでしょう。

そして、無事にリリースされた後でもユーザーの声や売り上げを集約してコンテンツの発展に活かすといった取り組みもしなくてはならないので、ゲームの大枠を決めて現場をまとめたとしても気が休まることはないのです。



仕事に関する期待値と要求


また、ゲームプログラマーやゲームデザイナーなどある程度の研修を経て現場で活躍するクリエイター職とは異なり、ゲームプランナーは大学や専門学校を卒業した後でいきなりそれ相応のスキルを要求されるケースも目立ちます。たとえ開発業務に慣れていない立場といえど、ゲーム開発現場はIT産業のように実力主義が根深く、大きな利益を生む生まないは別にしても業務に関する高い専門性を発揮していかないと色々とやりづらくなるでしょう。



より深くゲームプランナーの実態を知るには?


一般的な仕事では合説で認知度を上げて企業説明会にて情報の深堀り、OBOG訪問に参加して現場の声や実際の社内風景を窺い知る。そしてインターンシップにエントリーしたら業界や業務に関するセミナー講習と有給・無償の業務体験などで働き方を学んでいきます。

これは特殊な仕事となるゲームクリエイターでも同じことが言えるでしょう。

今ではSNSやネットを介してゲーム開発の魅力や裏側を、社員のリアルな声として拾うことができますが、いかんせんネット情報なのでその信憑性は怪しいものがあります。

なので、ネットで業界や企業の情報を収集し、それを説明会やインターンなど自分の足を使って得た情報と照らし合わせて分析するようにしてください。

ゲーム開発の現場は往々にしてネガティブな情報に溢れていますが、最前線で働く社員へ積極的に質問していくことで、入社後の自分の姿を想像しやすくなるだけでなく、仕事を経験することで得られるやりがいも見出せるようになるでしょう。



まとめ



いかがでしたか? オタクの特徴として自分の経験や知識に絶大な自信を持って、他者の意見やトレンドの吸収を得意としない面が目立ちます。しかし、就活は自分の将来にまつわる岐路を考えていくことになるので、志望する職種や企業に限った情報のみでなく、仕事と生活のバランスやキャリアパスについての掘り下げと疑問解消は徹底的に行いましょう。

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