
文系のオタク就活生の就職にオススメしたい業界3選をご紹介
就活ではどの学生も「就活生」という立場に置かれて過ごすなるわけですが、誰もが多種多様な価値観を持ち、独自の強みを活かして選考に挑戦します。その強みというのは生まれ育った環境や性格、趣味などが影響して培われるものですが、そういう意味ではオタクは考え方次第で就活を有利に進めやすいのではないでしょうか? 今回は、就活でのオタクが持っている強みを活かす方法についてお話ししていきましょう。
「オタクは強みの宝庫」と言ってもなかなかピンとこない人も多いことでしょう。そもそもオタクは、色々とネガティブなイメージが定着してしまっている存在であり、他の“一般的な学生”と共に天秤に量っても、対人スキルやフットワークの軽さ、前向きな姿勢などの能力面で見劣りしてしまいがち。
……という認識を持つ人も多いのですが、正直な話、その捉え方はもう古い! 90年代00年代前半期のような、オタクに対し差別的であり凝り固まった偏見の色眼鏡は今すぐ捨て去るべきなのです。
確かに、オタクは普通の人より変わっていることは事実。自分が至高とするコンテンツについて並々ならぬ熱量を持ち、その対象を愛でること以外(服装や髪型など)には気が向かない性質が印象的で、自分の世界観を一番に優先する特性は、なかなか大衆には理解されないものです。
まぁ、これによってメディアを中心に「オタクは暗いし変わり者だ」と囁かれるようになったわけですが……。酷い時期には「オタク=引きこもり」という構図が出来上がっていたくらいであり、自分をオタクだなんてアピールした日には、T-ウイルスで生まれたゾンビのような扱いをされるほどでした。
このように、オタクはポジティブとはほど遠い人物像と考えられていましたが、あえてここで言いたい。オタクほど就活あるいはビジネスで活かせる強みを持った存在も珍しいと。
過去に世間からウンザリするほどの迫害を受けてきたオタク達ですが、彼らのオタクたらしめる各スキルは、下手したらそこらへんの就活生よりも優れている可能性があります。
たとえば、アイドルオタク(以下:ドルオタ)を引き合いに出して考えてみましょうか。就活では誰もが鬼門とする「面接選考」。たった30分~45分ほどの時間枠しか設けられませんが、堅苦しい雰囲気や目上の人、立場が自分より上の人と話すことに苦手意識を持っている人からしたら、まるで水中で息を止めているときくらい長く感じるものですよね。
また、話の内容も自分のアピールから社会人としての今後の展望などを語るなど、面接官を納得させ魅了するために、事前に受け答えの練習や話のネタを用意しなくてはなりません。
しかし、ドルオタに関していえば、今までのオタ活経験をもとにマインドを変えることで気が楽になるはずです。
自分が世界で一番推しに推しているアイドルの握手会。百戦錬磨のドルオタならばもはや数えきれないほど参加したことでしょう。「自分のことを〇〇ちゃんに知ってもらいたい、覚えてもらいたい!」と考えたところで、実際、その握手会の時間はどのくらいですか?
長くてもせいぜい1分程度かと思いますが、握手券を獲得した日は当日に向けて、アイドルと握手をして言葉を交わす光景を何度も何度もシミュレーションしたはず。
そして、良い意味で印象に残ってもらえるために“悪いオタク像”をなるべく廃し、話す内容や時間配分を徹底して臨むことでしょう。
つまり、憧れの存在に近づいて数十秒~1分の間でアピールしてきたドルオタの経験は、そっくりそのまま面接でも通用するはずなのです。
「いや簡単に言うなや……。」と思うかもしれませんが、そこまで難しく考えることはないでしょう。アピールする対象がアイドルから憧れの企業に属する人事担当者に変わっただけです。
社会人は、仕事に関する情報のアンテナを常に多方面に向けて立てておき、日々最新の情報にアップデートしつつ、ビジネスの波に乗り遅れないように日程の調整もしっかり管理しておくものです。
就活生の場合は、自分の足りない要素を補完するために現時点で開催している(あるいは予定)のイベントにエントリーをかけ、工程を通して自身の職業選択の視野を広げていき企業や業界の研究に励む、という感じでしょうか。
一見すると、体育会系のような機敏な動きを要求するようであり、なかなかハードルが高いように感じるかもしれませんね。しかし、これもオタクにとっては日常茶飯事。
急遽決まったアイドルのコンサートイベント、限定グッズの販売など、こういった情報を雑誌やネットを駆使して逐一チェックし、同好の士と共有してスケジュールを組んでいく。
熱烈な追っかけを嗜みとするドルオタならば、こういった情報収集術はお手の物でしょう。
ただ情報を得るだけではなく、イベントやコンサートへの参加を実現するために、残された予算や休日などを見比べて、遠征に使うさまざまな交通機関の時間や必要経費を割り出して確実性を上げていく。
もちろん手間ではありますが、先んじて情報を入手して結果を伴わせるために努力を重ねるこういったオタクらしさ全開の姿勢とスキルは、就活で活かせる有用な強みと考えることができるはずです。
他にもまだまだオタクの強みは含まれますが、あえてここでは割愛いたします。
ただ、このようにオタクならではの経験やスキルは、就活にシフトしても十分活用できるのだと理解できますね。
では、それら強みを就活で具体的にどう伝えていけばいいのか? 以下の見出しで解説していきましょう。
では、自分のオタクとしての強みをいかにして伝えていくべきか? それはESや面接選考での自己PRの機会でアピールしましょう。
自己PRは就活で必須の項目であり、学生時代の経験をもとに「どんな強みを発揮して結果的にどんな成果を上げてきたか。そして、その経験を経て自分はどう変わったか」を伝えていきます。
その後は、志望企業に向けて自分の強みを具体的にどう活かしていくつもりかを話して、相手に採用することで得られるメリットがあるのだと認識させるのです。
要するに企業に対して自分を売り込むセールスパフォーマンスを行うわけであり、どんなに優れている人間でも、これが欠けていれば多大なコストを費やして採用活動をしている企業の心を掴むことができなくなるでしょう。
エピソード選びに関して迷う人も少なくありませんが、過去の体験から自分の有用性を引き出すことが自己PRの狙いであるため、部活だろうとアルバイトだろうと、オタ活に専念していたプライベートの時間でも問題ありません。もちろん、オタ活になれば相手の理解を得るために“その界隈でしか通用しないような知識、言葉選び”をするのはNGですが。
ただ、ここでポイントとなるのは「企業が求める人物像に則して話す内容を考える」ということ。
コーポレートサイトや企業説明会、あるいはインターンシップを参考に、志望する企業がどういうタイプを求めているのかを理解し、それに沿った話をするのが強みを伝えるのに効果的な手段となるでしょう。
フットワークが軽くて集団で行動することを得意とする人物を相手が求めていたならば、どんな立地どんな時期でもオタ活のために動き、オタクの友人やそうではない人も巻き込んで良好な関係性を築いてきた過去を語ることで、ニーズに合った人物だと相手に思わせることができます。
しかし、意外と勘違いする人も多いのですが「強み」と「長所」は似ているようで違いますよ。
先ほどもお伝えしたように、強みは自分の過去の経験を強みの根拠として語って、その後は企業に「この強みを将来的に仕事や社内風景で、どう反映していくつもりか」を話して採用のメリットを感じさせること。
ですが、長所は性格上の問題であって、こちらは自身にとってウィークポイントとなる「短所」とワンセットになります。
また、長所を聞く意図にも強みとは違いがあり、その性格が業務にどう影響を及ぼすのか? また社風とのマッチ度はどの程度なのかを推し量るために聞かれます。
他にも「きちんと自己分析が行われているのかが知りたい」という思惑もありますが、このように強みと長所には聞かれる狙いや話す内容、アピールポイントで明確な違いがあるのです。
「オタクに就活は難しい」。そう卑屈に捉えて自分を偽り、取ってつけたような強みを連発してお祈りを喰らう就活生も多いですが、学生の時分に貴重な青春を大好きなオタ活に捧げたならば、それを「偏見が怖いから」「変に思われたくない」と包み隠すのは非常にもったいない。
どんな取り組みをしてきたかはオタク一人ひとりで異なりますが、好きなもの興味のあるものについてひたすら自己研鑽や投資をしてきた姿勢は、きっと就活でも相手の目を引く強みとなるはずです。
もしそこで相手が「オタクは〇〇そうだし嫌だ」と小馬鹿にしてきたら、気にせず別の企業へと切り替えましょう。オタクであることを前向きに認めず、一方的で古い価値観でしか相手を評価できない場所なら、後々で大きなミスマッチを起こす可能性だってありますからね。