
文系のオタク就活生の就職にオススメしたい業界3選をご紹介
ゲームやアニメといったオタ活と就活のはざまで揺れるオタク就活生達の中にも、「大好きな趣味を仕事にしたい」と考えて取り組んでいる人はいらっしゃるのではないでしょうか?
自分の興味のある得意分野でなら能力も発揮しやすいでしょうし、なにより働くことへのモチベーションも保ちやすいかと思います。しかし、趣味を労働に置き換える場合、さまざまなデメリットも生まれてしまい、結果的に大好きだった趣味に苦手意識を向けてしまう可能性も無きにしも非ずです。
今回は、趣味を仕事にしようか悩んでいるオタク就活生向けの情報を発信していきましょう。
一昔前は「好きなことで生きていく」をキャッチフレーズとしたYouTube広告が大いに受け、そのメッセージに触発された人達が夢の実現のために「好きなこと=趣味」を仕事にするようになりました。
近年ではクリエイティブな仕事に対する働き方の是正が適用され、数年前と今では趣味で生計を立てる人の分母も増加傾向にあります。
しかしながら、アニメ視聴やゲームプレイに実況。フィギュア造形に個人ブログなど、どんな趣味を持っているかは人によって異なり、全ての趣味が仕事に置き換えることができるとは正直断言できません。また、この手の話題が挙がると必ずネット掲示板やSNS上では「趣味を仕事にするな」と忠告めいた発言をする人が現れるものです。
そのため、趣味は趣味で仕事は仕事と割り切り、たとえ強いこだわりや愛着がなくとも自分の特性を活かしやすい仕事に“仕方なしに”従事する人が大多数なのが現状。
ですが、たとえマイノリティーな立場であったとしても、趣味を仕事にして満足のいく生活を送っている社会人はいらっしゃいます。
たとえばWEBライター。学生の時分からゲームやアニメといったエンタメ・ライトコンテンツが好きで、新作情報やレビュー、攻略記事にイベントレポートが記載している紙・web媒体を読むことが趣味だった人が、ゲームライターとして活躍する姿も今では多いです。
または、国内外の観光地を見て回ることを趣味としていた人が旅行会社に勤務して能力を高め、自分の経験をもとに旅行客の理想を叶えるプランを提供したりなど、趣味を上手く活かして仕事に繋げた人は事実いらっしゃいます。
ですが同様に趣味を仕事にしたことで失敗してしまい、趣味(仕事)に対してネガティブな印象を持ってしまった人が大勢いるのも確かです。
なぜそうなってしまったかというと、「好きの強度」と「実現するために追った行動量」が違うために、仕事の現実に堪えうるマインドを培うことができなかったからではないでしょうか?
まず「好きの強度ってなんだよ意味分かんねぇ」と思うかもしれませんが、この点から解説していきましょうか。
たとえばアニメが大好きだというA君B君の2人がいたとします。互いにアニメが好きという共通点を持ってはいますが、どこまでアニメが好きなのかというレベル感は違うはずです。
A君が特定のジャンル作品を観ることが大好きで、その界隈の知識なら豊富なんだと自負するのに対し、B君はジャンルや放送時間帯に関係なくどんなアニメでも目を通し、シナリオやキャラクターなどの魅力を言語化するだけでなく、制作の背景や演者の特徴までを分析することに長けている。
このようにアニメが好きなのは2人とも間違いはないのですが、好きの気持ちをもって「アニメ」というコンテンツにどれだけ掘り下げを行えているかは大きく異なっています。
これは仕事においても同じことが言えるはずです。自分の興味のある分野にしか意識を向けず、他には無関心無頓着だと技能を高めることはできず、好きもやがて飽きに変わる可能性も考えられるでしょう。
ただ観るだけが好きなのか、徹底的にコンテンツを突き詰めて情報を補完するまでも好きになれるかでは、好きの強度に大きく差があるのだとこれで理解できるはずです。
次が「行動量」についてですが、これは単純に夢の実現のためにどれだけの努力を積み重ねてきたかを指します。
よくゲーム開発現場への就職を希望する人にありがちなのですが、全く未経験な学生でも募集する企業であっても、その募集要項を額面通りに受け取って募集する人が後を絶ちません。
もちろんそれが悪いと言うつもりはありませんが、採用の立場になって考えたときに「憧れの気持ちだけ持った学生」と「未経験だけど日々プログラミングへの勉強を重ね、独自にアプリを制作している学生」では、どちらを採用してみたいかは明白。
先ほどの好きの強度の違いだけでなく日々の行動量が違うわけです。
趣味や興味のある分野を仕事にすると考えたとき、それを現実に起こし成功に導くための具体的なプランを立てて追えているか? これも趣味を仕事にして継続できるか否かの分水嶺となるでしょう。
趣味で食べていけることは不可能……というわけではなく、その道で生きていくことや技能研鑽することの覚悟さえあれば誰でもチャンスはあります。
しかし好きなことで仕事をしていくためには、趣味を仕事にすることで生まれるメリットデメリットについての理解が必要になるでしょう。
まずメリットについてですが、今まで嗜んでいた分野あるいはそれに近しいものに携わることになるため、仕事へのモチベーションを維持しやすい点が浮かびます。
興味のない仕事や苦手なことに取り組んでいると嫌々な気持ちを改善しづらく、時間も経過するのが遅く感じてしまいやすいもの。ですが、好き・得意な仕事に従事するとなれば成果を上げることに注力するのはもちろん、「どうすればもっと仕事を楽しめるか」という意識になるため、継続して働くことへのやる気を損ないにくいといえるでしょう。
よくプロのスポーツ選手が昔の過酷な練習について取材を受けた際に、「大変だったけど、好きだから“努力”を努力と思ったことがない」と語る姿が見受けられますが、自分の好きな趣味がお金を稼ぐ手段となった場合でも、この考え方は通用するはずです。
どんな仕事であっても成果(売り上げ)という課題がつきものであり、楽しく仕事をするために趣味の延長で従事していたとしても、努力や意欲的な姿勢が必ずしも結果に結びつくとは限りません。
そのため、最初は前向きな気持ちで仕事(趣味)に向き合っていたとしても、業務の生産性や周囲からの評価が上がらず趣味に苦手意識を持ってしまった、なんて話も頻繁に聞かれます。
それゆえに、記事の冒頭でも軽く触れましたが「趣味を仕事にすることはやめた方がいい」と話す人が多くいらっしゃるわけです。
また、たとえ自信のある分野であっても「好きと得意は違う」ということを理解せずに仕事をする人も大勢おり、憧れの気持ちを胸に秘めて業界・企業に飛び込んで、業務を経験して生まれたギャップによって“挫折してしまいやすい”のもデメリットとして挙げられます。
このあたりは、大人気の大御所声優である大塚明夫氏が2015年に執筆した著書『声優だけはやめておけ』でも触れていますね。仕事をする入り口として趣味や好きなことを掲げるのは大事であっても、それを生業とするならば成果や失敗に挫折、仕事を得ること自体の難しさを受け入れなければならないという、エンタメ世界のシビアな裏側事情を例にアドバイスを送っているので、声優に興味が無くとも今回のテーマと似通った点が多くあるので、機会があれば読むことをオススメします。
本稿を読む人は、「どうせ長い間仕事と向き合わないといけないんだし、どうせなら趣味や好きなことで生きていきたい」という望みを捨てきれない人がほとんどでしょう。
もしも趣味が仕事に繋がっても将来的に後悔の念が生まれるかもしれない、そもそも活躍できるか分からないなど、不安な気持ちがあるのは重々承知しています。
せっかく趣味で稼げる道があったとしても、働いた後で趣味そのものを嫌いになんてなりたくないですよね。
ならばどうするか? 簡単な話「好きと得意が両立する」ように努力と意識改革を行えばいいのです。
「〇〇が最近人気だからやってみたい」なんて中途半端なミーハー感覚で臨むのではなく、プロ意識を持って自己研鑽や結果の追求に一生懸命な姿勢を会得すれば、趣味を仕事に置き換えても継続しやすくなるでしょう。
要するに、前述でも話した「好きの強度」を上げるために「行動量」を増やしていくことに繋がるわけです。
プライベートと仕事の住み分けを行い、クリエイターとしてユーザーとしての目線の違いや労働の過酷さを学び、なおかつそれを覚悟することができれば、趣味を活かす社会人として成功に近づけるようになります。
好きなことで生きていくことを叶えるのは容易ではなく、趣味でお金を稼ぐ未来を夢見た人は多くとも、それを実現できた人数は決して多いとは言えません。
ただ、好きや憧れの感情は置いておいて、どんな仕事であっても自分の特性や強み弱みを分析し、仕事との適性を図って認識のギャップを克服できてさえいれば、趣味を活かして働くことは可能です。
現在就活で自身の生き方に迷っている人は、ぜひ本稿を就活の道筋を立てる材料に使ってみてくださいね。