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やめとけ! ゲーム業界から別業界への道

業界内からも色々と苦労話が絶えないゲーム業界。好きなゲームに関われるという点を除けば「休日は少ない」「癖のある人が多い」そして「給料に満足出来ない」など大変な面がよく露見しますね。しかし国内のゲーム産業では、人気タイトル一つにしても年間何億もの売り上げを記録していたりするのに、なぜ開発に携わるクリエイターの給料は低めなのでしょうか? 今回はゲーム業界の“ツラいところ”の解説や、ゲーム業界で培ったスキルを別の業界で活かす事についてお話していきましょう。







長時間労働の割に給料が上がらない





モノづくりには手間と時間が掛かる、しかしクオリティーの高い作品を仕上げたら制作側にはそれ相応の報酬を支払うべき。これが職人の世界の在り方ですが、少なくともゲーム業界でこの理想を叶える事は難しそうです。ゲーム開発は“面白いゲームをパッとイメージして一か月程度で完成”なんて楽な道のりではありません。作品を生み出すためにプロジェクトマネージャーやディレクターが数十人~百人ほどの人数を纏めあげて、各分野で複数のチームを組ませて数ヶ月~数年の目処で日々制作に当たるのです。ここについて細かく見ていきましょう。



まず「どんなゲームを作るべきか」の初期段階では開発に関わる企業の上役やゲームプランナー、場合によってはデザイナーやプログラマーも参加して作品の企画・検討を開始します。ゲーム制作といっても、何もただ“自分達が面白いと思うゲーム”を具現化していくわけではありません。世間的に「何が人気なのか? 何が注目を集めるのか?」という市場調査を行い、それをデータとして可視化した後でコンセプトを決めます。そこからビジネス(企業の売り上げ)に直結するかどうかをプレゼンを通じて討議していきます。ここで企画したコンセプトが通過しなければ最初からアイデアを練り直さなければなりません。



その後は開発に関わる職種の割り当て、使用するシステム周りの選定など、ゲーム制作のフローを決めていきます。ここからはプロジェクトの最高責任者であるプロデューサーを筆頭に、ディレクターやプランナー、デザイナーにプログラマー、サウンドクリエイターといった各部門のスタッフが協力して本格的に始動し、メインビジュアルやキャラに背景、メインテーマと各種サウンドといった中身の作成・実装を行うのです。
もちろん、ゲームを作るのは彼らクリエイターの“専売特許”なわけですが、それだけでは足りません。販売工程まで問題無く進めるために販売店への営業活動からバックオフィス(法務部やカスタマーサービスのトラブル対応)、店頭やメディアを通じて行う作品のプロモーションなど。こういった複雑なプロセスや多大なコストを割いてゲームが市場に分かっていくわけです。もちろん作業工程は企業によって異なりますし、もっと事細かく掘り下げる事も出来ますが、あまりにも長くなってしまいそうなので割愛させていただきますね。





ただ、超人気IPを複数抱えて社員数も資本金も莫大である大手有名企業だと平均年収は上級職・専門職共に満足のいく数値ですが、中小やベンチャーのゲーム開発メインの企業だと、企業規模がそもそも大きくない上に“下請け問題”によって軒並み給料が低めなのが特徴的です。


しかし、一般的な感想ならば「これだけ各々がマルチタスクを行い、業務完遂の難易度や専門性が高いにも関わらず給料が低いって何?」と感じるかもしれません。


しかしゲーム業界に勤める人達は“ゲーム好きの気持ちをそのまま仕事に繋げている”だけあり、あまり給料に対して高望みをしない人が多いのです。もちろんあまりにも低い給料で長時間労働を強いられる場合は、問題として露見しますが…。また、この業界では残業や泊まり込みなど就業時間を超過して動いたとしても、多くの企業は裁量労働制を基本としているため、残業代が出ないという点も給料が低めな要因として浮上します。その代わり、他の業種では考えられないくらい自由な働き方が実現出来るわけですが。



それでも労力に見合う対価を満足に得る事が出来ないのは、若い内ならまだしも年齢を重ねていった段階では割と死活問題になっていきます。クリエイターとて人間ですから実力があっても体力や気力は徐々に衰えていくわけですしね。


そしてデバッグ処理メインなどアルバイトでも時間をかければ行えるような業務の場合は、特に専門的な技術を求められる事は無いので、言わずもがな給料は低め。


こういったシビアな面もあり、どこの企業でも通用するような能力を身に付けたクリエイターが、高給を期待出来る他所の企業に転職してディレクターやプロデューサーといった役職に就いて年収を上げるのが、ゲーム業界では定石となっております。「やりがいのある仕事を取るか、年収を取るか」は自分の置かれている状況次第で選ぶ必要があるでしょう。



休日出勤の頻度は?





普段の業務はゆったりだけど特定の時期に差し掛かると休みは無縁。これこそがゲーム業界の抱える課題と言えるでしょう。開発を行う下請け・デベロッパーではプロジェクトが開始して間もない通常時だと、誰もが規定通りの時間に出勤して自分の仕事が終わればすぐさま帰れるもの。しかしプロジェクトが佳境に入る“納期(マスターアップ)”がちらつき始めると、最終的なコンテンツの実装に向けて誰もが寝る間を惜しんで業務に当たる事になります。


もちろん同一企業の社内・部門毎に忙しさは変わっていきますけど、この繁忙期で忙殺気味になるのはどこも変わりません。その結果、土日祝を含めた休日を返上して出勤。裁量労働制によって残業代が出ないにも関わらず納期に間に合わせるために、会社に泊まり込んで仕事に打ち込むなど、マスターアップ時の現場は過酷を極めます。


またソーシャルゲームではリリースして間もない頃、ログイン出来なかったりプログラムそのものに不具合が生じた場合は即座に処理しなければならないので、各クリエイターは会社で待機したり自宅に仕事を持ち込むなんて事もよくあります。


大手企業では福利厚生がしっかりしているだけあって、休日に関しては柔軟に対応してくれますが、中小やベンチャー企業ではまだまだ改善が難しいですね。



別の業界で見るのもあり?





“本当に”ゲームが大好きな人にしか務まらないゲームクリエイター職。他所とは違う一風変わった取り組みが印象的であり、給与や待遇よりも自己実現のために働かなくてはいけないために、中途半端な気持ちでは続ける事が難しい…。それは前述の解説で理解しているかと思います。


しかし一度ゲーム業界に入り、そこで培ったスキルは決して無駄にはなりません。たとえばプログラミングやコーディングが主なゲームプログラマーが他のIT系エンジニアに転職する場合、ITにまつわるノウハウが既にあるので、インフラ整備やシステム開発といった新たな取り組みもしやすくなります。ゲームプランナーですと企画力から市場の分析力に長けている分、他業種でのマーケティング戦略や教育事業に活かしやすいです。


このようにゲーム開発の舞台から離れたとしても、自分の技術が無駄なく転用出来る環境を選ぶ事でより良い働き方が実現出来ます。


ただ、就労内容がガラッと変わるために、ゲーム業界での“当たり前”を抱いたままにしておくのは危険です。今までは空いた時間でデスクに突っ伏して寝てもOKだったとしても、全く仕組みが異なる企業で同じ事をしていたら間違いなく解雇になります。もしゲーム業界を去って新天地で活躍する可能性を考慮する場合は、今までの自分の“癖”を改めてくださいね。



まとめ





いかがでしたか? ここまで業界のツラい箇所を解説したわけですが、他の業種で働く時と同じように続ける事で見えてくる“楽しさ”は存在します。自分が寝る間も惜しんでしっかり作り込んだタイトルが市場に出回り、買った人が前向きな評価をしてくれたら「まだまだ頑張ろう」という気持ちにさせてくれます。それにゲーム業界は確かなスキルと実績、そして将来設計がしっかり出来ていたら、プロデューサー・ディレクターへのキャリアアップで年収から仕事の幅まで広げる事が出来ますよ。


それでもゲーム業界から別の業種へ転じる場合、自分の強みを改めて分析し、今後どういう活躍をしていきたいのかを明確にしておいてくださいね。

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