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ゲームプランナーの面接前に企画書(作品)提出は当たり前!

ゲーム業界で就活するなら、履歴書やESの他に企画書を作成する必要があります。企画書は応募者の実力から志望職種の熱意を推し量るために使われるものですが、どういう内容に仕上げればいいか迷う人もいらっしゃるのではないでしょうか? 本稿ではゲームプランナーの企画書の概要から企業がチェックするポイントについてお話していきます。





作品提出をさせる企業がほとんど




ゲーム開発に対して憧れを抱く新卒~中途を積極的に採るゲーム系企業の選考だと、企画書の提出を求められる事が基本です。もちろんそれは未経験者が相手でも同じ事であり、履歴書やESの出来が良かったとしても、企画書の完成度がイマイチでは書類・面接を突破する事は難しくなるでしょう。
「何でそんなに企画書が大事なの? アピールは履歴書とかで十分じゃん」と考える就活生も多いかと思います。普通の…というと語弊があるかもしれませんが、サービス業界や物流業界などの一般的な仕事を選択する場合、経歴や志望動機といった情報を記載する履歴書・ESのみで問題ありません。自身が「どんな事をしたいか、どんな事が出来るか」は面接にて口頭で伝える事がほとんどですしね。
ですがゲーム業界はそういう意味で言うと特殊であり、“ゲーム”という多くの人の感情を揺り動かし、莫大な経済効果を生むコンテンツを扱うこの業界では、新人にも“それなり”の専門性を求めます。



特に本格的なタイトル開発を行う企業では、新卒にも即戦力級の動きを期待する傾向にあるので、文字通り“実績や能力を見て取れる”アイテムが履歴書・ES以外で必要になります。
たとえ就活生の熱意がホンモノでも、企画書の仕上がりによって、有用か否かを即座に判断されるのです。
近年のゲーム業界はソーシャルゲームの浸透や最新技術(VRによる遊びの広がり)の開拓で発展目覚ましく、今までゲームに触れてこなかった人がスマホやタブレットを介して遊ぶ光景も増え、それに比例するかのようにゲーム業界を志望する人も増加してきました。
ですが先ほども触れたように、ゲーム開発は経験や実力がものを言う世界。ある程度の開発スキルが下地として無い人や、ゲームに対しての思い入れが薄い人をイタズラに入れてしまっては現場が乱れる危険性があります。
それを避ける“足切り”も、選考で提出する企画書には含まれているわけです。



企業は企画書のどこを見るのか?


企画書は“成果物”“ポートフォリオ”とも言いますが、要するに自分の実績やポテンシャルを第三者に向けてアピールする目的で使われます。そのまとめ方も肝心であり、たとえ中身が目を見張るクオリティに出来上がっていたとしても、紹介の順番がズレてしまったりレイアウトが雑で見づらかったりしたらNGです。
それを評価する相手は企業の人事担当者のみならず、経営陣からゲーム業界の楽しさや厳しさを経験してきた百戦錬磨の猛者達(現場サイド)も含まれます。したがって企画書の構成そのものも妥協せず神経質に取り組まなければなりませんよ。
そして企画書を読む時に気にされるのは、ポートフォリオとしての仕上がりだけでなく、応募者がちゃんと企業研究が出来ているかどうかです。
ゲーム系企業はそれぞれ歴史やヒット実績、売りにしている企業の特徴などが大きく違い、志望する企業に提出する企画書は、その企業に合わせた内容にする必要があります。
硬派なストーリー性やバトルアクションを強みとする企業で恋愛モノの企画を持ち込むより、相手が大事にしている路線で攻めた方が無難という事ですね。
企業が伸ばしたいと考えている分野を理解し、それを企画書で反映するのは「ちゃんと我が社のことを研究しているな」と安心させる結果に繋がります。履歴書・ESで語った志望度の高さを裏付ける事になるわけです。
むしろここを意識出来ていなければ「他のゲーム会社でいいじゃん」と思わせてしまいます。



そして中身で考えるべきは「ゲーム性」「商品としての価値」。満足度の高い遊びを提供出来ているか? 市場に出しても売り上げを期待出来るか? ゲームプランナー志望の就活生が企画書を作る際はこの2点をじっくり練りましょう。ゲーム性にはこれといった最適解が存在せず「何をもって面白いとするのか」でドツボに嵌る事でしょう。ただプレイヤー側とクリエイター側という両方の視点で“ゲームで得られるリワード”“遊んでいる中で発生するリスク”などを深堀り出来れば、自ずと「こうすれば盛り上がるのでは!?」という独自の発想が出来るようになるはずです。
商品としての価値ですが、これは単純に“売れるか否か”。アドベンチャーやシューティングにサウンドノベルなど、ゲームには複数のジャンルがあります。そしてジャンル一つをとっても類似した作品がいくつも含まれているわけです。しかし似通ったテーマでもそれぞれに強みとなる要素、売れる理由が異なります。FPSの二大巨塔『バトルフィールド』と『コールオブデューティー』が比較として分かりやすいはず。この分析を行う事が出来れば企画の見栄えが上がること請け合いですよ。



企画書を通過させるために注意するポイント




選考で企画書を評価してもらうには、読み手がどんな立場かを意識して戦略を立てる必要があります。上記でもある通り、開発の最前線で活躍しているクリエイターも読むわけですから、中身だけでなく“ガワ”にも気を払いましょう。
まず、企画書はA4サイズで統一しましょう。失敗するゲームクリエイター志望者には、インパクトを与えるために大きめのサイズで何十何百枚も用意するケースがありますが、ハッキリ言って相手の読む気を削ぐだけです。ページ数も“多すぎず少なすぎず”が基本ですが、イラストやデッサンを見てもらうデザイナーと違い、プランニングをメインとした企画書は膨大なページ数にしてしまうと相手の理解を得るのに時間が掛かってしまうので、10枚から15枚で落ち着かせましょう。



また、使用するフォントや色合いに文字数も重要な要素。選考によって時間が限られているので、相手がストレスなくスピーディーに読めることが大前提です。強調したいからといって大袈裟に文字を大きくしたり、場面毎にバラバラな色使いをしたりしてしまわないように。
文字数も「1ページにつき〇〇数まで」という縛りがあるわけではありませんが、素早く内容を分からせる事が大事なので、論文のように長々と解説文を並べず、シンプルにまとめてくださいね。
企画は“タイトルや概要”“対象ハード”“ターゲット層”“セールスポイント”を考えていくものですが、ある程度形が整ってきても満足せず、必ず第三者からの意見を聞いて何度も何度も修正するように。“何を面白いと感じるか”は人それぞれであり、自分以外の人(選定したターゲットに近しいタイプ)の意見は企画を掘り下げるのに適しています。もしかしたら今まで気付かなかった新たなアプローチの仕方を見つけることが出来るかもしれませんよ。



最後になりますが、絶対に“志望する企業はどういうところか”“なにを作っているか”を研究・分析してから企画書を作るようにしてくださいね。
就活で提出する企画書は、相手の売りを理解した上で、企画書にソレを踏襲出来るかが合否を分けます。「自分はプランナーとしてこんな提案が出来るし、こういう事が可能だから御社で働きたい」というメッセージがきちんと伝わるようにしましょう。



まとめ




ゲーム開発をした事が無い就活生からしたら企画書で何を伝えればいいかなんて、なかなか掴みづらいものですよね。しかし、入社を希望する憧れの企業がビジネス面で“どんな人達をターゲットにしていて、どんな作品を手掛けてきたのか”を分析する事が出来れば、たとえ初めて作るにしてもそこまで変にズレた内容にならないはずですよ!

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